
東京名所寿留賀町三ツ井店両側富嶽眺望之図(三越)
作者名広重(Ⅲ代)
時期明治14年5月(5,1881)
- 三井の歴史は滋賀から始まる。織田信長に敗れた三井越後守高安は、三重県松阪に移り、その子高俊は、酒屋を稼業とした。
- 延宝元年(1673)、三井高利(高俊の4男)は、江戸に進出、日本橋本町1丁目(三越の西北)に越後屋呉服店を開店した。天和3年(1683)、駿河町に移り、両替屋も始めた。
- 右に見える三井銀行の手前は、薬局資生堂である。現在の銀座資生堂は、明治5年創業され、銀座出雲町(現在の銀座7丁目)に開店した。同じ頃、資生堂は関係会社として西洋薬舗会社を設立し、この絵の位置に開店した。しかし明治の始め、洋薬の販売は難しく、明治7年12月、日本橋の店は閉鎖、三井組の経営に移った。しかし神薬資生堂の名で、長くそのまま経営されたため、絵の如く神薬資生堂の暖簾〈のれん〉が見える。
- 絵の左側は現在の三越、右側は三井本館(三井銀行東京支店)となっている。